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じっと見守る思いやり・・・

園長 山内 武道

 子どもは時間をかけてゆっくり成長していきます。子育ての情報が氾濫しマニュアル化・標準化され、急ぎすぎる傾向がある現状に危機感を持つのは、私一人ではないと思いますが如何でしょうか・・・。

活発で元気に溢れこのままに育ってくれれば・・・と願っていた子どもが、急におとなしくなり自信をなくした様子を見せて登園(登校)を渋ることもあります。また、素直で親の言うことをよく聞く子どもが、急に言動が反抗的な態度になることも当然あります。逆に、引っ込み思案で控え目だった子どもが、ある日突然、進んで物事に取り組んだり考えを表現することもあります。

子どもの成長過程ではその年齢なりに心の揺れがあり二歩前進一歩後退もあり、そんな時に親は慌てますが、それは子どもが正常に成長している証しとして捉えなければなりません。

子どもの生活の態度ばかりでなく、小学校に入学してからの教科の学習でもみられることですので、教師や親はしっかりと心に留めて急いだり慌てたりしないで見守る心構えが求められます。

そこで最も大切なことは教師や親が<子どもを上からの目線で見ないこと>です。“こんなことぐらい解らないのか・・・”とか“こんなことも出来ないのか・・・”という言い方や態度で子どもに接するのは禁物です。教師や親の出来たことを子どもが出来たり得意であったりするとは限りません。その代わり、教師や親のできないことができる個性や能力をもっているかも知れませんので、難しいことですが冷静にじっくりと子どもを見守る姿勢が大切です。

子どもは、これから多くの体験をすることで、前に進んだり時には止まったりしながら一歩一歩確実に成長していきます。決して、大人や他の子どもと比較しないことを願っています。

“実力のある教師や親は、子どもの長所を見出すことが出来る・・・” 盲目というハンディキャップを持つ子どもを一流のピアニストに育てた親がいることをご存知のことと思います。これは特別のことではなく、どの子どもにも通じると受けとめていただきたい思います。

子どもの限りない可能性を信じることを願って、日々の教育活動を進めます。

良い仲間づくりのために…

人は社会的動物ですから、他と関わることで充実感のある楽しい生活ができます。
ですから、親も幼稚園の保護者に限らず近所の人・学生時代の友達等々、気軽に楽しくお付き合いができる仲間をつくることが大切です。仲間と話し合うことで視野が広がり、時には、子育ての迷いや悩みの解決の糸口をつかむこともできます。

ばんけい幼稚園では“虹の会の活動”や“子育て井戸端会議”を、保護者の皆様の仲間づくりに役立てていただきたいと考えています。

ただし、それぞれの家庭が異なる状況にあることや考えの違いがあることを念頭において、無理をせず長続きのする良いお付き合いになることを願っています。

そのためには“つかず、はなれず”を念頭におく必要があるかも知れません。

お互いの考え方や立場を大切にして…
○それぞれの生活習慣の違いを認め合って…
○親しき仲にも礼儀を忘れない
○お互いを思いやり謙虚な姿勢で…
相手の長所に目を向けて…

“無理なく、楽しく、気を楽にして” お付き合いを…

今の日本語は…

スーパー等のレジで“千円からお預かりします”レストランで“こちらコーヒーになります”等が普通に使われています。文に書けば分かるのですが、それが丁寧な言い方と思われているのかもしれません。今、正しい日本語について考えてみなければならないと思いますが、如何でしょうか…。

さらには、テレビのお笑い芸人が使う品性を欠くことばが、普通に使われている現実もあります。

・超… ・めっちゃ ・まじっすか ・やばい ・うまっ ・広っ 等々

子ども達には使ってほしくないことばが氾濫しています。ちょっと、そんなことにも気をかけながら、子ども達の会話に耳を傾けたり対話したりしていただければ幸いです。

散歩を通して

総務 尾形 玲子

 ばんけいの“散歩”は“山歩き”と表現するほうがぴったりかもしれません。初めの頃は「行きたくない」「疲れる」という声も聞かれますが、繰り返し出かけ、慣れ、楽しいことをみつけることができると、その様な声も聞かれなくなってきます。

学年によりコース、距離の違いはありますが、散歩を通して子ども達はいろいろな経験をしています。

また、その経験は保育にあたる上での“ねらい”にもなっています。


(1)全身で季節を感じる

歩きながら、時には立ち止まって遊びながら草花、虫、動物、空、風、土などの色、形、大きさ、におい、味など、五感をフルに使いながら楽しみます。

(2)発見を楽しみ、共感する

変化(イタドリが大きくなった、葉っぱの色が変わった等)や違い(〇コースにはなかった)に気づき、それを仲間や教師に伝え、「ほんとだ!」と共感(共有)し合うことができると嬉しくて、楽しい散歩になります。

(3)全身を使う

山の散歩は平地ではなく、デコボコした坂道や草の中を歩き、時には倒木を乗り越えたり、斜面を
よじ登ったり等、いろいろな動きをします。その中で、脚力はもちろんバランス感覚や持久力も自然と身についていきます。

(4)自然の中での約束を知り、守る

自然の中での生活を通し、自然の大きさを感じながら、大切にしようとする気持ちが少しずつ育ってきます。“山の花、虫はお土産にしない”“山菜は食べられる分を採る”“枝は折らない”等、ひとり一人が自分のことだけではなく、周り(友だち、自然)のこと、次の年(将来)のことを考えながら、約束を守っています。

いずれも、何度も経験すること、「積み重ね」が大切です。そのことは年長の子どもを見ていて強く感じることです。
子ども達は季節により “風のにおいが違う” ことに気付き、山菜等を自分で採り、味を覚え “また食べたい” と思うようになり“また、あの場所であそびたい”と思うようにもなります。これは何度も経験を重ね、繰り返したからこそ感じることができると考えます。

身体は小さくてもしっかり歩ける<脚力・持久力>を持っている子ども達を見て、山で出会う人に小学生と見間違えられるたくましさを発揮しています。年長組のスキー活動でスキーを履いて自分の足で頂上まで登る姿を見て、散歩の積み重ねの大切さを実感しています。


ここ数年、環境の変化により山の奥まで入る長い距離の散歩が制限されたり、活動範囲も狭くなってきたりしています。限られた安全な環境の中で、自然に触れ、楽しく、充実した遊び、活動ができるよう創意工夫しています。散歩は身体だけでなく心も強い、たくましい人間を育ててくれます。

子ども達が何年、何十年か経った時に、散歩の楽しさや辛さをも思い出し、これからのいろいろな生活の場面で生(活)きる事を願って散歩を続けていくことにします。

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